小学校受験の記録

2015秋、神奈川県下の私立小学校を中心に受験した際の記録です

志望校を決める時期

志望校を早くから決められる人もいれば、我が家のように、意思が固まったのは年長の夏以降というケースもあります。時期は人それぞれではありますし、途中悩むこともあると思いますが、志望校を早くから固められるのであれば、そのほうが良いと思います。なぜなら、志望校が決まってはじめて「対策」が立てられるからです。

 

小学校受験の学習の基本は

●ペーパー課題

ペーパーとして取り組まなくてはならない課題の分野は想像以上に広範囲です。今思いつくだけでも、季節・常識、お話の記憶、数(足し算、引き算、簡単な掛け算、簡単な割り算)、図形理解、回転、シーソーなどの推理分野、位置移動、左右の区別、四方観察、模写・・・等。一度書店等で「こぐま会」の分野別の問題集をご覧ください。驚きます。

●運動

走る、ケンケン、ジャンプ、スキップ、ギャロップ、クマ歩き、クモ歩き、アザラシ歩き、ボール投げ上げ、ドリブル、ボール運び、ゴム跳びのような基礎運動に、「指示運動」と呼ばれる要素が入ってきます。「指示運動」とは、先生から指示された通りの順番で指示された通りに運動をこなすというもので、だいたいは先生の見本を見て覚えて再現する課題になります。だいたいの学校は、この「指示」の部分にウェイトがあるような印象ですが、中には運動能力やその動きの美しさが加点となる学校もあるようです。

●絵画・制作

絵1つとっても、創造画、条件画など、課題には違いもありますし、制作物になると、ハサミの使い方やのりの使い方から片付け方まで見られます。グループで1つの課題をこなすとなると、そこにはお友達との関わり方を見る集団行動観察の要素も入ってきます。絵画で驚いたのは、同じウサギを描くにしても、この学校は写実的なタッチを好むが、こちらの学校はそこまでは求められないので、体は人型風でも構わない等、答えは1つではなく、あくまでも「その学校のクセ」まで理解して取り組まなくてはいけないということでした。

●行動観察

お友達と仲良く協力できるか、秩序を乱したり乱暴な振る舞いをしないか等がチェックされるものです。4〜5人で課題に取り組ませてその様子を観察したり、もっと大勢でゲームをさせて楽しませる中で「素の姿」を見ようとしたりします。これはなんとなくクリア出来る子もいれば、ここが課題で親としては泣けてくるという子もいます(男児に多いです)。どうしてもやんちゃなお子さんは、物を振り回したり、蹴ってしまったりするので、まずはそこから直されますし、つい口をついて出てしまう乱暴な言葉や強めの言葉も直されます。そうした基本に加えて、マットは踏まない、マットの上に上がるときには上履きを脱いで揃える、オモチャや道具の上をまたがないなど「躾」的なものも出てしまうので、侮れません。

 

なぜこんなことを書き出したかというと、小学校受験は、学校によって驚くほど出題傾向が違うので、「志望校別の対策」を練る必要があるからです。ものすごい長さの「お話の記憶」が好きな学校もあれば、推理系の問題が大好きな学校もあれば、いろいろな分野を平均的に問うてくる学校もあります。また、運動重視の学校もあれば、絵画や制作重視の学校もあります。上記の課題がすべて優秀にこなせるお子さんであれば良いわけですが、実際はなかなかそうもいきません。考査当日までに、どの分野もおしなべてそこそこできる+その学校の出題傾向に合わせて特定の分野を得意にしておくというのが理想なわけです。そう書くとパーフェクトな対策が必要なようで息が詰まりますが、裏を返せば、この分野は苦手だけれど、あまりこの学校では出題されないようだから「どうか今回も出ませんように!」とある程度諦めることも最後の最後には必要です。

 

小学校受験に「効率」という言葉はあまり馴染まない気もしますが、それでも効率的に学習を進めていくうえで、志望校は早く決められたほうが有利なわけです。実際、推理問題の出題傾向が強い学校を第一志望にしていた男の子で、ものすごくできるんだけれども、季節・常識を問う問題は驚くほどできないというお子さんにも出会いました。万一その学校で当日うっかり季節の問題が出ようものなら悲劇なわけですが、確率から言うと低いわけです。また、併願校として、第一志望の学校に出題傾向が似ているところを選ぶという選択肢もでてきます。志望校がある程度見えてきたら、まず、過去問を見て親が出題傾向を把握することが大事です。